真ん中から数えましょう

  • 2020.09.19 Saturday
  • 15:54

 

今日からお彼岸です。

 

赤い屋根の織物工場。

何やら糸を緩めて作業をしている

場面に遭遇しました。

 

 

「何をしているのですか。」

 

「次に織る為の準備で、

たて糸を足しています。」

 

 

 

ここで興味深いのは、

両端から足していくと

いうことです。

 

作業としては、右と左と

二度手間に思えますが。

 

たて糸を通す綜絖の本数が

決まっていますし、

織機の上についている

ジャガードの針の数も

決まっています。

 

 

 

偏りがないように、

本数を変えるときは

両端で増減するのだそうです。

 

 

見せてくれた指図書には

「右○○本 左◎◎本」

と書かれていました。

 

左右別に本数

管理していたのです。

 

「でもこんなに混み入った

たて糸の中心を探すのは、

大変ですよね。」

 

 

すると、目板というものを

見せてくれました。

確かに中心がわかるように

穴が開いています。

 

 

そして、図柄を指図する

紋紙にも。

確かに左右分かれていました。

 

 

紋紙が左右にわかれているのは、

織機のたて糸と連動していたのです。

 

 

あっという間に、たて糸は増やされました。

 

この織物は巾も変えて織られるとのこと。

 

次は巾を決めていく

筬(おさ)に糸を入れる

筬入れの作業に入ります。

 

 

「たて糸の本数は合計〇〇本」

だけでなく、

 

右○○本、左◎◎本、

合計●●本

 

と言えたなら一人前と

いってもらえるかな?

 

布を織っていない時の作業も

とても面白いのです。

 

赤い織物工場

近藤里美した。

 

JUGEMテーマ:伝統工芸

 

 

 

 

米沢の片隅から 世界のトヨタの源流にふれる 

  • 2020.09.02 Wednesday
  • 16:06

sarusuberii.jpg

9月となりました。

残暑厳しいですね。

 

赤い屋根の織物工場では

新しい空調設備が導入されました。

まるで高原の中にあるような

心地よさです。

ありがたや、ありがたや。

 

今日も心を込めて織っています。

 

tetsu.jpg

 

さて、工場には30数台の織機があります。

そのほとんどが米沢製です。

現在、米沢市内に織機メーカーは

ありません。

当時はどんな人が、どんな思いで

織機を作っていたのでしょう。

 

そんな事を考えていましたら

このような本に出合いました。

 

yaramaika.jpg

 

世界のトヨタの源流

豊田佐吉氏が自動織機を

開発していく物語です。

 

「やらまいか」 (上下巻)

 北路透 著

 致知出版社 

 

佐吉氏が織機開発に進んだ原点は

お母さんの高機を修理したことでした。

身近なことが偉業に繋がるのですから

驚きです。

 

 

当時既にイギリスにおいて

自動織機は開発されていたこと。

その中で、日本製の性能の良い

自動織機の開発が

待たれていたこと。

時代背景もあったのですね。

 

そして、佐吉氏が最初に開発した織機は

電力ではなく、蒸気であったこと。

石炭をくべて、その蒸気で織機が動く!

一体どれほどの熱気と騒音だったことか。

SL-蒸気機関車と織機がくっついた

ようなイメージが頭に浮かびました。

 

soukou.jpg

 

ともかく、全く何もないところから

パッと立派な織機が生まれたわけではない

ということを、知りました。

 

考えてみれば、当たり前のことですね。

 

佐吉氏は、織機全体を考えて

ある部品の強度について、

譲りませんでした。

組織としては

「そこまでこだわる必要はない、

と進めたところ、問題が発生した。」

というようなエピソードがありました。

 

いつの時代も起こりうること

なのでしょうが、モノづくりに携わるもの

として大いに気を吐き、佐吉氏を応援

しながら読み終えたところです。

 

rore.jpg

 

米沢の織機メーカーでも

きっと同じように、沢山の物語が

あったのだと思います。

 

その思いを引き継いで

更なる物語が綴られていきます。

一歩ずつ、一歩ずつ。

 

JUGEMテーマ:オススメの本

 

近藤里美でした。

 

nunohana.jpg

 

 

 

 

機を織る

  • 2020.08.25 Tuesday
  • 16:47

JUGEMテーマ:伝統工芸

 

 

itokiri.jpg

自動織機というと

機械で、ドンドン織れるイメージが

あります。

 

自動織機にもいろいろあります。

ここでは、織のスタッフの技術力が

大きく影響します。

 

実際にどのような作業をしているので

しょうか。

 

kudakoukan.jpg

1.ヨコ糸の交換をします

 

 ヨコ糸の管は 船のような形をした

 シャトル と呼ばれる入れ物に

 入っています。

 ここから管を取り出して新しい管を

 入れます。

 再び織機を動かします。

 

 糸端を持って待ち、ころあいの良い

 ところで カットします。

 織機は動いたままです。

 

kudamaki.jpg

2.管を巻きます

 

 織機の奥へ移動すると、

 管巻き機 があります。 

 新しい管をセットして

 ヨコ糸を巻きます。

 

ayasage.jpg

3.綾竹を下げます

  

 綾竹を後ろに下げます。

 

 ややもすると、タテ糸に負担がかかって

 切れたりしますので、注意が必要です。

 織機は動いたままです。

 

tape.jpg

4.テープを止め直します

 

 テープをまち針で止めながら、

 何メートル織ったのかを管理します。

 適当なタイミングで

 まち針を打ち直すのです。

 これもまた、織機は動いたままです。

 

 

このような作業を繰り返していく訳です。

 

一人で管理する織機は複数台です。

織る反物も、着物であったり、帯であったり

多種多様です。

 

「織るときに、一番大事なことは何でしょうか。」

 

スタッフに聞いてみました。

 

「織機を止めないこと。」

 

「どのヨコ糸がいつ頃切れるか

 考えながら、順序良く動かします。」

 

「万が一、トラブルが起きて

ヨコ糸をほどくことがあっても

他の織機は止めないこと。」

 

まるで道を究めた修験者のような

スタッフの様子に

 

「かっこいい」

 

と思うのでした。

 

hana.jpg

では、またの機会に。

赤い屋根の織物工場

近藤里美でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【麻八寸帯】を掲載して頂きました

  • 2020.08.21 Friday
  • 11:34

JUGEMテーマ:オススメの本

 

着物を着る人が知りたい「ココ」を

懇切丁寧にそして楽しく

掘り下げてくれる雑誌

 

「月刊 arecole」(月刊アレコレ) 

http://www.arecole.com/

 

2005年創刊のこの雑誌

初めて手にしたのは、随分前のことになります。

米沢織物組合事務所の

受付けカウンターに置いてありました。

A5版のバックにスッと入る大きさ。

とても気になって、早速申込をしました。

以来、欠かさず購読しています。

 

「着物を着る人」

に寄り添ってくれる雑誌。

この雑誌から生まれたトレンドも

数々あるのではないでしょうか。

毎号、新しい発見があります。



 

Vol.181号 (2020年8月5日発行) の

表紙に当社の帯を掲載して頂きました。

 

「麻八寸」

 

タテ、ヨコ糸共に麻。

ヨコ糸にアクセントとして

和紙を織り込んでいます。

無地感ながら、組織織りを用いて

涼やかな夏の着姿を演出するように

製作しました。

 

掲載の白は夏の光を集め、

爽やかなスタイルになります。

 

 

朝晩、虫の音が晩夏を

知らせてくれます。

赤い屋根の織物工場では、

また新しい季節に向けて

織物と向き合っています。

 

近藤里美でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

機台(はただい)と仲良くなりたい

  • 2020.07.28 Tuesday
  • 16:59

JUGEMテーマ:伝統工芸

 


daidaihana.jpg

赤い屋根の織物工場

今日は雨

激しく降っています。

そろそろ梅雨も明けてほしいところですね。

 

 

 

さて、少々年期の入ったこの板は

機台(はただい)といいます。

反物を積んで運ぶ台です。

一辺が40僂曚匹△蠅泙后

 

 

このようにして反物を井桁(いげた)に積んで運びます。

台の下には、低い足がついているので、

そこに手を入れて持ち上げるわけです。

 

ときには5段〜6段積んで運びます。

私はもちろん、

そんなには持てませんが・・・。

 

この状態で階段を昇ったり、降りたりもします。

考えただけでドキドキします。

 

コツがあるようなのです。

ひとつは体に近付けて持つこと。

それから、端に置く反物の向きが肝心です。

 

naname45.jpg

 

万が一、機台から反物が落ちた時を

考えて積んでいくのです。

外側の反物は端が外側になるように

積みます。

ちょっとオーバーですが

下記のように。

 


setteyoi.jpg

 

この向きですと、万が一落ちた時には

このような形で転がります。

 

 

ochiyoi.jpg

 

反対の向きに積んでいると

落ちた時には、

下記の様になってしまいます。

大事にしたい表の面がどんどん

転がっていってしまうのです。

 

 

ochiwarui.jpg

 

買継商さんと、このお話をしましたところ

入社してすぐに、教えられたこと

だそうです。

目からうろこのお話でした。

 

また、機台に積むことで、

反物の数もあっという間に

計算出来ます。

 

yoko.jpg

 

40兒擁の機台。

反物の太さにもよりますが

一段に3反ずつ積んでいくと

段数を数えれば

 

3反×4段=12反

 

という風に計算できますね。

 

素晴らしい先人達の知恵。

呉服の世界は知れば知るほど面白いですね。

 

では、またの機会に。

近藤里美でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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